臨床工学技士という仕事2
前回、臨床工学技士という資格が生命維持管理装置の操作と管理を主に病院内で業務を行っているということを書きました。
全国各地を見渡すと、臨床工学技士としての業務も様々です。
病院内での臨床工学技士としての働き方
資格を取ると多くの人が病院内で働くことになります。病院といっても個人病院から大学病院まであり、就職する病院によっても行う業務はまったく違うことも少なくありません。
その中でも多くは、腎臓の機能が無くなった腎不全患者の治療となる人工透析療法の操作と管理を行う人です。
他では総合病院や大学病院に就職し、心臓手術の時に使用する人工心肺装置を操作したり、呼吸不全に陥った患者に人工呼吸器を装着し、操作や管理を行います。
メイン業務はこの3つですが・・・
病院によってはもっと別な業務を任される臨床工学技士も増えています。
自分が所属している病院では心臓・血管カテーテル治療での業務も臨床工学技士が携わっており、まさしく自分もこの業務に深く関わっています。
簡単に説明をすると、急性心筋梗塞という非常に怖い病気がありますが、カテーテルによって30分から1時間ほどで治療を行うことができます。
この治療のときに臨床工学技士が医師のサポートをし、周りのスタッフと連携をとっています。
ん?あまり医療機器的なものが使われていないぞ?
と思われる方もおられるかもしれませんが、
循環が保てなくなった時は補助循環装置と呼ばれる人工心肺装置、呼吸不全になったときは人工呼吸器、その他にも不整脈治療の除細動器、一時的ペースメーカーなどなど多種多様な医療機器がカテーテル室には存在しているのです。
そんな中で僕は日々業務を行っています。
他には所謂胃カメラと呼ばれる内視鏡室だったり、高気圧酸素療法を行ったり、病院が変われば本当にいろんな業務が存在します。
医療機器メーカー・ディーラーでの働き方
ほとんどが病院で働く人が多い中で、医療機器メーカーやディーラーに就職する人も少なからずいます。
医療機器メーカーとしては医療機器を各病院に対して販売するための営業や販売後の対応等です。
営業販売以外にも、新しい医療機器が使用されるときは病院内で立ち合いを行い、そこで働く臨床工学技士へ操作の説明を行ったりもしています。
もちろん自分が売る商品についての知識は隅から隅まで覚える必要があるし、相応な医学知識も必要になります。
そしてなにより必要なのがコミュニケーション能力が重要になると思います。
養成校での講師としての働き方
これが最も少ないと思いますが、養成校の生徒へ講義や指導を行う仕事です。
年々養成校が増えているなかで講師としての需要もあると思います。
臨床工学技士の資格をとってすぐ講師になる人もいますが、中でも臨床経験を経た講師というのは、その学校にとっても生徒にとっても非常に有益な知識を得られるのではないでしょうか。
今後の臨床工学技士としての働き方
臨床工学技士はほとんどの人が病院に属したり、メーカー、学校に属して働いて給料をもらっています。
自分自身病院に属して働いているわけですが、病院も経営が悪化し、潰れてしまうかもしれない世の中になりつつあります。
もちろん臨床工学技士としての勉強は続ることは大事であり、しかし収入を一つに頼るだけでなく、他の方法で得ることを勉強したほうが良いと思っています。
まだまだどうやってというのは模索中ですのでこれからですが・・・